こんにちは、ゆとりある生活を目指す薬剤師、ゆとりです。
今回はよくある質問シリーズ、
「貧血に良いものある?」について答えていきます。
貧血とは
貧血とは血液中の赤血球数や赤血球内のヘモグロビンと言われる物質が減少した状態を指します。
そうなると酸素を体の組織に運べなくなり、動悸・息切れ・立ちくらみ・頭痛など様々な症状を引き起こすわけです。
貧血の要因は様々ありますが、一般的なのが鉄分不足。
鉄はヘモグロビンの構成成分であるため、鉄が不足するとヘモグロビンがの量が足りず貧血になってしまうんです。

なぜ鉄が不足するのか詳しく見てみよう。
鉄不足の原因
鉄分が不足する理由としては入ってくる鉄が不足しているか、出ていく鉄が過剰かのどちらかが考えられます。
入ってくる鉄の不足
鉄の摂取推奨量は一日あたり
- 男性:7.5mg
- 女性:10.5mg(月経あり)
男性よりも女性で不足している傾向があり、特に若い女性の平均摂取量は6.6mgと全く足りていない状況です。

ダイエットしている方では更に不足しがち。
ちなみに鉄の吸収率は鉄は5〜30%とあまり高くありません。
鉄の吸収率を10%に設定すると鉄の摂取推奨量をしっかり取れていて
- 男性:0.75mg
- 女性:1.05mg
この数字が次の項目で重要になってきます。
出ていく鉄が過剰
正常な場合であっても1日あたり1mgの鉄が排泄されています。
なので前述した鉄の摂取量はだいたいこれを補うための量となります。

なるほど、このために必要なんだね。
そして更に出ていく鉄が過剰となる場合、多くの場合は出血によるもの。
その典型例が以下の2つ。
- 月経
- 消化管出血
月経
女性の場合は毎月月経の経血として20〜140mlの血液が体から出されています。
血液中の鉄の基準値が1dlあたり40〜180マイクログラムなので、一度の月経で8〜252マイクログラムの鉄を失います。
だいたい100マイクログラム(0.1mg)/月としても、塵も積もればなんとやらってやつです。
おそらく女性が貧血で引っかかったときに真っ先に生理不順がないか確認されます。

女性の皆さんは正常とされる経血量を把握しておきましょう。
異様に多い経血量の場合は婦人科系の疾患も考えられます。
一度お医者さん(婦人科)に相談してみてくださいね。
消化管出血
男性が貧血になる場合に多いのがこの消化管出血です。
消化管とは胃や腸を指し、胃潰瘍や痔なんかの出血のことを意味します。
男性では貧血が確認された場合に便検査をすることが多いですが、これは便に血液が混ざっていないか確認するために行っています。

胃で出血していると黒っぽい便、
腸で出血していると赤っぽい便になるよ。
もちろん女性でも消化管出血が起こる可能性もあります。
ストレスが原因となることも多いですのでうまく発散していきたいですね。
鉄不足の対策
出ていく鉄が過剰なパターンは何かしらの疾患が関わっていることも多く、まずはお医者さんの指示が優先となります。
経血の量が多い、胃が痛かったり便の色がおかしいという時はまずはお医者さんに相談してみましょう。
よってここで紹介する対策は鉄の摂取量を増やすことになります。
食事
食事に関してはたくさんのサイトに載っていると思うので私的にお気に入りの一品だけ載せておきます。
- かぼちゃの種:6.5mgFe/100g
- ひまわりの種:3.6mgFe/100g
- クコの実::4.0mgFe/100g
が入っており、ナッツ類の中でも鉄分の含有量が高め。

アーモンドで2.9mg/100g
美味しくポリポリ食べれるので小腹が減ったときによく食べています。
ちなみにクコの実という赤い実は杏仁豆腐によく入っている実で、目の疲れにも良いとされています。
調理器具
鍋やヤカンでお湯を沸かすときや、鍋調理の際に一緒に入れるだけで簡単に鉄分の補給ができます。
また溶け出す鉄の多くは吸収率の高いものだそう。
味の変化も感じないので手軽に使えておすすめです。

いろんな形の鉄玉があって揃えたくなっちゃうね。
医薬品
症状が出ていて早めに対応したいという方には医薬品がおすすめ。
赤血球のもととなる鉄と一緒にビタミンB12と葉酸が入っているものは多いのですが、マスチゲンはそれに加えて
- 鉄の吸収を助けるビタミンC
- 赤血球を守るビタミンE
も入っています。

1日1回で良いのも嬉しいね。
症状が改善されても最低でも1ヶ月以上は続けてほしいお薬です。
まとめ
以上、
- 鉄不足の原因
- 入ってくる鉄の不足
- 出ていく鉄が過剰
- 鉄不足の対策
- 食事
- 調理器具
- 医薬品
についてまとめました。
貧血で悩んでいる人は普段の生活に取り入れられるものから試してみてくださいね。
基本的事項としてお薬を選ぶ際には、他に使っている薬や持病をお持ちでないことが前提になります。
使っている薬がある人や、病院にかかっている人は薬剤師やお医者さんに確認するようにしてください。
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