病院でリンデロンを処方されたことがある人は多いですよね。
でもリンデロンには種類がいくつかあって、違う使い方をするのはご存知でしたか?
このページではリンデロンの種類による違いと使える症状について説明します。
また、市販で買えるリンデロンや、リンデロンに似た商品も紹介しつつ、後半ではよく勘違いされている質問についても回答していきます。
ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
リンデロンの種類や使い方の違い
病院で処方されるリンデロンは4つあります。
- リンデロンDP
- リンデロンV
- リンデロンVG
- リンデロンA
ややこしい……!!
この項目ではリンデロンの「種類の違い」と「使い方の違い」に分けて説明していきます。
リンデロンの種類の違い
メインとなる成分はこのとおり。
ステロイド | 抗生物質 | |
リンデロンDP | ○ (ベリーストロング) | ✕ |
リンデロンV | ○ (ストロング) | ✕ |
リンデロンVG | ○ (ストロング) | ○ |
リンデロンA | ○ (ウィーク) | ○ |
簡単に説明すると、ステロイドは炎症止め、抗生物質は傷薬になります。
リンデロンは種類によってステロイドと抗生物質の組み合わせが変わるんです。
そしてもう一つポイントになるのがステロイドには強さがあって、リンデロンの種類によって効き目も変わってきます。
ウィーク(弱い)からストロンゲスト(最も強い)までの5段階。
リンデロンDPは上から2番めのベリーストロング、リンデロンVとリンデロンVGは上から3番めのストロング、リンデロンAはいちばんやさしいウィークになります。
参考▶ステロイド外用薬ランク一覧 – 日本アトピー協会
ただし、強いものが良いかというと、使う人や使う場所によっては優しいタイプのステロイドのものがおすすめになります(よくある質問の項目で説明します)。
リンデロンの使い方の違い
さて、リンデロンの中身の違いを見てきたところで、次は使い方の違いを確認していきましょう。
リンデロンにはステロイドのみのリンデロンDPとV、ステロイドと抗生物質が組み合わさったリンデロンVGとAがありました。
ステロイドと抗生物質が使われるのは以下のようなときです。
- ステロイド:炎症(赤み、はれ、かゆみ)
- 抗生物質:化膿(ジュクジュク)
つまり先程の表に情報を付け足すとこうなります。
ステロイド | 抗生物質 | 使い方 | |
リンデロンDP | ○ (ベリーストロング) | ✕ | 炎症 |
リンデロンV | ○ (ストロング) | ✕ | 炎症 |
リンデロンVG | ○ (ストロング) | ○ | 炎症+化膿 |
リンデロンA | ○ (ウィーク) | ○ | 炎症+化膿 |
さらに使える場所も異なるので、その情報も付け足してみましょう。
ステロイド | 抗生物質 | 使い方 | 使用箇所 | |
リンデロンDP | ○ (ベリーストロング) | ✕ | 炎症 | 皮膚 |
リンデロンV | ○ (ストロング) | ✕ | 炎症 | 皮膚 |
リンデロンVG | ○ (ストロング) | ○ | 炎症+化膿 | 皮膚 |
リンデロンA | ○ (ウィーク) | ○ | 炎症+化膿 | 目、鼻、耳 |
これらの違いによって使い分けがされているんですね。
【市販で買える?】リンデロンに似た薬
では後半は市販でリンデロンと同じ薬、似た薬はあるのか見ていきます。
最初に紹介するとこんな感じです。
同じ薬 | 似た薬 | |
リンデロンDP | なし | なし |
リンデロンV | リンデロンVs ベトネベートクリームS | − |
リンデロンVG | なし | ベトネベートN軟膏AS |
リンデロンA | なし | なし |
病院で出しているものと同じ薬はリンデロンV(病院)とリンデロンVs(市販)のみです。
しかし似た薬であればリンデロンV(病院)とベトネベートクリームS(市販)、リンデロンVG(病院)とベトネベートN軟膏AS(市販)があります。
リンデロンDPで使っている強さのステロイドを使った市販薬はありません。
また、リンデロンAのように目鼻耳に使えるステロイドもありませんので、そのようなものをお求めでしたら受診するようにしましょう。
それでは同じ薬、似た薬の詳細を見ていきましょう。
リンデロンVと同じ薬1:リンデロンVs
リンデロンVと同じ薬として、リンデロンVsがあります。
剤形は軟膏、クリーム、ローションの3つ。
内容はステロイドになりますので、炎症に効果があります。具体的には以下の通り。
【効能効果】
しっしん、皮膚炎、あせも、かぶれ、かゆみ、しもやけ、虫さされ、じんましん
リンデロンVと同じ薬2:ベトネベートクリームS
リンデロンVと同じ薬はもう1つ、ベトネベートクリームSがあります。
こちらも内容が同じなので使う症状も炎症で同じになります。
【効能効果】
しっしん、皮膚炎、あせも、かぶれ、かゆみ、しもやけ、虫さされ、じんましん
リンデロンVsとベトネベートクリームSの違い
ここまで読んで、
リンデロンVsとベトネベートって何か違うの?
と思った方は鋭いですね。
リンデロンVsとベトネベートクリームSの違いは剤形にあります。
リンデロンVs:軟膏、クリーム、ローション
ベトネベート:軟膏、クリーム
ローションは一番さっぱりとした使い心地ですので、ベタつくのが苦手な人はリンデロンVsのローションタイプを選ぶといいでしょう。
そしてもう1つ重要な違いは、ベトネベートは軟膏とクリームで中身が違うことです。
ベトネベートクリームSはステロイドのみで炎症に使い、ベトネベートN軟膏ASはステロイドと抗生物質なので炎症+化膿に使います。
リンデロンVGと似た薬1:ベトネベートN軟膏AS
さて、リンデロンVGと同じ薬は市販では存在しませんが、似た薬にベトネベートN軟膏ASがあります。
もう一度確認ですが、先程出てきたベトネベートクリームSとベトネベートN軟膏ASは別物です。
ベトネベートN軟膏ASはステロイドと抗生物質がセットになりますので、使える症状は炎症+化膿です。
【効能効果】
化膿を伴う次の諸症状(しっしん、皮膚炎、あせも、かぶれ、しもやけ、虫さされ、じんましん)
化膿性皮膚疾患(とびひ、めんちょう、毛のう炎)
かゆみや赤みだけでなくジュクジュクもある人はこちらを使いましょう。
逆にステロイドだけでできているリンデロンVsやベトネベートクリームSを化膿した部分に使ってしまうと、症状を悪化させてしまいます。
きちんと違いを理解して使い分けましょう。
ステロイドのよくある質問
ややこしい話でしたが付いてこれましたでしょうか?
最後にステロイドに共通した、よく勘違いされている質問や疑問を紹介して終わりにします。
- 副作用にはどんなものがあるの?
- 使い方は?薄く塗ったほうがいいの?
- 顔や陰部(デリケートゾーン)には使えるの?
- 強いほうがいいんだよね?
- 保湿剤や化粧品を使ってもいい?
それぞれ見ていきましょう。
質問1:副作用にはどんなものがあるの?
ステロイドに関する質問でダントツに多いのが副作用に関する質問です。
一時期、ステロイドの副作用が問題視されたため、「ステロイド=怖いもの」という認識の人も少なくありません。
というのも、ステロイドがよく効くということから、安全性そっちのけで使われ副作用が起こる事例が報告された、ということの流れがあります。
具体的にわかっているステロイドの副作用はこちら。
- 肌が薄くなる
- 肌が赤くなる
- かぶれ
- 毛が生える、増える
- バイ菌の感染症
- ニキビができやすくなる
- 毛細血管が目立ってくる
これらは塗り薬の主な副作用になります。
現在では安全性に関する試験が行われ、安全性が確立された用法用量が設定されています。
用法用量を守ることで副作用が起こる確立も減らすことができます。
参考までに市販で買えるリンデロンVsの用法用量を記載しておきます。
【用法用量】
1日1回~数回 適量を患部に塗布してください。
…って、曖昧すぎて参考にならないんですけど!
数回とか、適量って何!?
と、思いますよね。
次の質問で答えていきましょう。
質問2:使い方は?薄く塗ったほうがいいの?
先程も示したように、ステロイドの用法用量の書かれ方はわかりにくいことが多いです。
【用法用量】
1日1回~数回 適量を患部に塗布してください。
ますは回数について。
数回といってもどのくらい塗ればいいのかわかりませんよね。
症状がひどいときは1日1回よりも何度か塗り直すのが基本となります。
目安としては1日3〜6回くらいで様子を見て、症状が改善したら徐々に回数を減らしていきましょう。
水を使ったあとや入浴後などはこまめに塗り直しましょう。
次に使用量について。
こちらは約0.5gを大人の手のひら2枚分くらいの広さに塗ります。
0.5gなんていちいち計ってられないよ、という声が聞こえそうですので簡単な計り方を紹介します。
人差し指の先から第1関節までの長さに軟膏やクリームがのる量「1FTU=約0.5g」として扱います。
ローションの場合は、1円玉大くらいの大きさの量で約0.5gです。
これくらいの使用量を守ると、表面が少しテカってベタつく程度になります。
ステロイドは怖いから、と思って少ない量で使用していると効き目もでにくくなってしまいますので、しっかりと容量用法は守りましょう。
すり込もうとすると皮膚の刺激になってしまうため、優しく塗り広げます。
質問3:顔や陰部(デリケートゾーン)には使えるの?
ステロイドは顔や陰部(デリケートゾーン)にも使えます。
ただし、顔に使用する場合は目や目の周り、陰部(デリケートゾーン)に使う場合には粘膜には使用できません。
皮膚の薄いところは薬の吸収量も異なるため、顔や陰部(デリケートゾーン)に使う場合は弱めのステロイドを使うことをおすすめします。
質問4:強いほうがいいんだよね?
ステロイドは強さのランクが分かれることを説明しましたが、なんでも強いほうが良いというわけではありません。
確かにランクが強いほうが炎症を抑える効果がしっかりしています。
しかし質問3のように、顔や陰部(デリケートゾーン)は肌も薄く、刺激に敏感ですので弱めのステロイドを使うことがおすすめです。
また、強めのステロイドを使っていて、症状が良くなったのでやめたりすると、症状がぶり返すことがあります。
症状が良くなってきたらそれに合わせてステロイドも優しいものに変えていくのが基本です。
迷った場合はお医者さんや薬剤師に相談してみてください。
質問5:保湿剤や化粧品を使ってもいい?
ステロイドを使っている時に保湿剤や化粧品を使っても大丈夫です。
皮膚トラブルの原因の多くは乾燥が原因と言われているため、保湿剤は一緒に使ってあげるのがおすすめです。
皮膚科で処方されるヒルドイドと同じ成分の保湿剤も市販で買えるようになりましたので、そういったものを使ってあげるのが良いですよ。
参考▶【市販で買える】ヒルドイドと同じクリームのおすすめの特徴3つと効果的な使い方
しかし、化粧品の場合は刺激になることがあるので、薄めもしくは控えるようにしましょう。
その時の使用の順番ですが、保湿剤の場合はステロイドの前、化粧の場合はステロイドの後になります。
まとめ:リンデロンの違いを理解して正しく使おう!
以上、リンデロンの種類や使い方の違いでした。
リンデロンはステロイドだけのものと、抗生物質が加わるもので使える症状が異なります。
ステロイド | 抗生物質 | 使い方 | |
リンデロンDP | ○ (ベリーストロング) | ✕ | 炎症 |
リンデロンV | ○ (ストロング) | ✕ | 炎症 |
リンデロンVG | ○ (ストロング) | ○ | 炎症+化膿 |
リンデロンA | ○ (ウィーク) | ○ | 炎症+化膿 |
- ステロイド:炎症(赤み、はれ、かゆみ)
- 抗生物質:化膿(ジュクジュク)
化膿しているところにステロイドだけの薬を使うと、症状を悪化させてしまいます。
市販でも同じ成分を使った商品や、似たような成分を使ったものがありますが、きちんと違いを理解した上で使いましょう。
同じ薬 | 似た薬 | 症状 | |
リンデロンDP | なし | なし | − |
リンデロンV | リンデロンVs ベトネベートクリームS | − | 炎症 |
リンデロンVG | なし | ベトネベートN軟膏AS | 炎症+化膿 |
リンデロンA | なし | なし | − |
後半にはよく勘違いされている質問についても回答しました。
おくすりを使う前にもう一度確認してくださいね。
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