平成29年1月1日以降制定されたセルフメディケーション税制。
なんだかお得な制度らしいけど、
セルフメディケーション税制って何?
医療費控除とは何が違うの?
どうやって申請するの?
など、疑問は多いですよね。
このページではお得なセルフメディケーション税制について、わかりやすく解説します。
最後まで読めば、迷わずに確定申告ができるようになりますよ。
それでは早速見ていきましょう。
セルフメディケーション税制とは
セルフメディケーション税制とは平成29年1月1日から制定された、スイッチOTC医薬品(要指導医薬品及び一般用医薬品のうち、医療用から転用された医薬品)を購入した際に、その購入費用について所得控除を受けるための仕組みです。
あぁ、よくわからない単語がいっぱい。
と思った方も諦めないでください。
セルフメディケーション税制で抑えておくべきポイントは3つ。
- 対象商品
- 購入金額
- 医療費控除との違い
それぞれ見ていきます。
ポイント1:対象商品
セルフメディケーション税制の対象はOTC医薬品(※)です。
※OTC医薬品とは?
Over The Counterの略で薬局・薬店・ドラッグストアなどで処方せん無しに購入できる医薬品のこと
その中でも対象は限られ、厚生労働省で対象商品をまとめています。
参考▶対象品目一覧[PDF形式:536KB]、令和4年追加対象品目一覧[PDF形式:737KB]
見ていただいたらわかるのですが、対象商品があいうえお順に約6400個並んでいます。
え、対象商品かどうか調べきれないよ。
という方も大丈夫。
対象商品のパッケージにはセルフメディケーション税制対象のマークが記載されていたり、お店によってはレシートにも印が示されています。
↓セルフメディケーション税制対象マーク
まずはご自身が使っている医薬品がセルフメディケーション税制対象商品なのか確認しましょう。
ポイント2:購入金額
セルフメディケーション税制の対象は世帯での年間購入額が12,000円以上の場合です。
対象商品を全て洗い出したら、それらの合計が12,000円以上になるか確認しましょう。
この時の金額は実際に支払った税込みの金額になります。
そのためクーポンなどで割引があった場合は、割引後の税込金額になります。
間違えないよう要チェックです。
12,000円を超えた場合、その超過した分が所得金額から控除されます。
控除の上限は88,000円。
つまり、対象のOTC医薬品を12,000〜100,000円分購入した人がセルフメディケーション税制の対象になります。
こちらの対象金額の上限が10万円というのが、次で話す医療費控除との違いになりますので、覚えておいてください。
ポイント3:医療費控除との違い
もともとセルフメディケーション税制は医療費控除の特例として制定されました。
その理由は個人での健康の維持増進及び疾病の予防への取組みを促すため。
どういうこと?
現在の日本では病院などでかかる医療費が年々増加し、財政を圧迫している状況です。
この状況をなんとかすべく「軽度な身体の不調は自分で手当てしましょうね」という”セルフメディケーション”を国は推進し始めました。
軽症なら病院に行く前にドラッグストアや薬局で対応してもらい、医療費を削減したいという考えです。
そしてそれを後押しするのがセルフメディケーション税制。
ほうほう、それで?
医療費控除の対象は10万円以上、上限は200万円まで。
そうすると、軽症の場合に市販薬などで対応した人は医療費控除の対象外となることが多かったのです。
しかし、ひどくなる前に自分で対処した人も何か優遇しなきゃいけないよね、ということで対象の金額が低めに設定されたのがセルフメディケーション税制です。
つまり簡単に言ってしまえば、10万円以下ならセルフメディケーション税制、10万円以上なら医療費控除で申請したら所得控除が受けられます。
どちらの対象か確認しましょう。
ただし、セルフメディケーション税制と医療費控除で対象になるものは変わります。
医療費控除を利用する場合はそちらもチェックしておきましょう。
セルフメディケーション税制の申請方法
さて、セルフメディケーション税制のポイントを抑えたところで、実際の申請方法を見ていきましょう。
申請に必要な書類は2つ。
- セルフメディケーション税制の明細書
- 一定の取り組みを行ったことを明らかにする書類
それぞれ見てみましょう。
必要書類1:セルフメディケーション税制の明細書
セルフメディケーション税制の明細書には
- 薬局などの支払先の名称
- 医薬品の名称
- 支払った金額
- 支払った金額のうち生命保険や会社保険などで補てんされる金額
を記入し、控除額を計算します。
記入例はこんな感じです。
必要書類2:一定の取り組みを行ったことを明らかにする書類
一定の取り組みとは何なのか、まず確認すると、
一定の取り組みとは
- インフルエンザの予防接種又は定期予防接種(高齢者の肺炎球菌感染症等)
- 市区町村のがん検診
- 職場で受けた定期健康診断
- 特定健康診査
- 人間ドックやがん検診をはじめとする各種健診(検診)
これらの領収書や通知書が今回で言う『一定の取り組みを行ったことを明らかにする書類』になります。
会社員なら定期健康診断を受けてることがほとんどだよね。
もしもこれらの取り組みを行っていない場合は申請することができません。
セルフメディケーション税制のためだけでなく、ご自身の健康のために受けるようにしましょう。
確定申告の申請方法
必要書類1と2を用意できたら、いざ確定申告です。
確定申告自体は複雑で面倒なものですが、確定申告のセルフメディケーション税制の適応は至って簡単です。
それは確定申告書の「所得から差し引かれる金額」の「医療費控除」の欄に、必要書類1のセルフメディケーション税制の明細書で計算した控除額を記入するだけ。
ただし、ここでのポイントは画像の左下。
おわかりいただけるだろうか?
医療費控除の『区分』という欄に「1」を記入する必要がありますので忘れないように記入しましょう。
危ない、見逃すところだった。
よくある質問
さて、セルフメディケーションのポイントと申請方法を見てきたところで、最後によくある質問をざっと回答していきたいと思います。
まとめ
以上、セルフメディケーション税制についてまとめました。
セルフメディケーション税制はもともと医療費控除の特例として制定されました。
ポイントは3つ。
- 対象商品
- 購入金額
- 医療費控除との違い
対象商品は令和4年1月1日に追加されるなど、どんどん拡大しています。
以前申請の対象外だった人でも、今なら対象になっていることもありますのでもう一度確認してみると良いですよ。
必要書類や申請方法、よくある質問などをきちんと確認した上でお得に節税しましょう。
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