ちまたでは
「登録販売者って意味ないでしょ。」
「登録販売者の資格はなくなるのではないか?」
という噂があります。
それを聞いて
登録販売者の資格が無くなるってホント?
登録販売者の将来はどうなるの?
と不安に感じている人もいるようです。
このページではどうしてそんな噂が流れているのか、その噂の真相、登録販売者の将来についてまとめました。
後半には登録販売者に興味がある人はどうしたら良いのか、またすでに登録販売者の資格を持っている人はどうするべきなのか書いています。
是非最後まで読んで参考にしてください。
登録販売者の資格は意味がないからなくなる?
まずはじめに、登録販売者の資格は廃止されません。
信頼できる公共機関から「登録販売者の資格の廃止」という内容は一切発信されていません。
それではなぜ「意味ない」「なくなる」といった噂が出ているのでしょうか?
その理由は大きく2つ。
- 医薬品のネット販売開始
- 1/2ルールの撤廃
それぞれ見てみましょう。
理由1:医薬品のネット販売開始
2020年12月にOTC医薬品(※)の販売規制が緩和されることが決まりました。
※OTC医薬品とは?
Over The Counterの略で薬局・薬店・ドラッグストアなどで処方せん無しに購入できる医薬品のこと
今までの実店舗にお客様が来てもらってお薬相談・販売という流れでした。
しかし規制緩和により、その場に行かなくてもネットで医薬品を購入し、お家で受け取るだけで済むようになりました。
このことから
店舗に登録販売者等が常駐しなくても良い
→企業が登録販売者の求人を減らす
と考えられ、登録販売者の需要が無くなるのではないかと言われています。
理由2:1/2ルールの撤廃
もう一つの理由は2021年8月に「1/2ルール」が撤廃されたのが大きな原因です。
「1/2ルール」って何?
という方のために説明すると、
このルールがなくなることで登録販売者がお店にいる時間に縛りがなくなります。
これは先ほどと全く同じで
店舗に登録販売者等が常駐しなくて良い
→企業が登録販売者の求人を減らす
と考えられ、やはり登録販売者の需要が無くなるのではないかと推測されました。
更に
それでは以上の2つの要因なども含めて、現状の登録販売者のおかれている状況はどういったものなのか次から見ていきましょう。
現状の登録販売者の状況
先程の2つの理由を見て、
やっぱり登録販売者は無くなるんじゃ…?
と不安に感じてしまったかもしれませんね。
しかし、登録販売者の実態はそうなっていません。
それを証明するデータとして、令和2年の有効求人倍率(※)が1.65という数字が出ています。
※有効求人倍率とは
倍率が1を上回れば求職者の数よりも人を探している企業数が多く、下回れば求職者の数の方が多いことを示す。
同じ年の全国平均の有効求人倍率は1.18ですので、登録販売者の需要が安定していることがわかりますよね。
大丈夫、求められてますよ。
ではなぜ現状の登録販売者は安定して求められているのでしょうか?
その理由と、今後も引き続き安定するかについて次から見ていきましょう。
登録販売者の将来はどうなるの?
現状で求められていることはわかったけど、今後はどうなるのでしょうか?
こちらも先に答えてしまうと、将来も無くならないし、むしろ需要は増えていくと考えられます。
なんでそんなことが言えるの?
という方に向けて、理由を3つ紹介。
- 就職先の拡大
- セルフメディケーションの推進
- 人件費削減
次からそれぞれ説明します。
理由1:就職先の拡大
登録販売者がお店にいなくても医薬品は設置できるようになりましたが、医薬品を販売できるのは資格者がいる時間だけ。
そのため医薬品の販売がメインになるようなドラッグストアでは登録販売者の需要は無くなりません。
それどころか、今後も需要が増えるであろうと予測されるデータもあります。
それが日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)が公表した2020年度版「日本のドラッグストア実態調査」。
それによると店舗数の増加は前年の2倍弱に増えており、登録販売者の需要も増えることが予想されています。
毎年そんなに増えているんだ!
また、少し前までは登録販売者の就職先といえばドラッグストアくらいでした。
しかし現在では1/2ルールが撤廃されたことによって医薬品販売のハードルが下がり、様々な企業が医薬品の販売に乗り出しています。
例えば
スーパー
ホームセンター
家電量販店
コンビニ
ネット販売が可能になったことでネットの販売業者でも登録販売者が必要とされています。
他にも介護施設や製薬会社の営業職など、直接医薬品の販売に携わらない職種でも注目を集めています。
理由2:セルフメディケーションの推進
現在、日本では医療費の削減のためにセルフメディケーション(※)が推進されています。
※セルフメディケーションとは
自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当てすること
軽度な身体の不調のときに、病院ではなくドラッグストアや薬局で対応することが求められているのです。
しかし、ドラッグストアや薬局に行った時に、お客様が一人でお薬を選択できるかと言ったら、難しいですよね。
そこで求められているのが薬剤師や登録販売者というわけです。
出番到来だね!
ちなみにセルフメディケーションを推進するにあたって『セルフメディケーション税制』が導入されました。
お客様からの問い合わせも多い内容ですので一度確認しておくと良いですよ。
参考▶確定申告で失敗しないためのセルフメディケーション税制のポイント・申請方法
理由3:人件費削減
お客様が医薬品を選ぶ時に薬剤師や登録販売者が必要なことがわかりましたね。
そこで問題なのですが、薬剤師と登録販売者って何が違うかご存知ですか?
資格のとり方や仕事内容などの違いはいくつかあるのですが、ここで注目したいのが『お給料』。
薬剤師と登録販売者では、一般的に薬剤師の方が給料が高いとされています。
参考▶ドラッグストアの登録販売者と薬剤師の違いは?給料や仕事内容など3つの違いを紹介。
すると、企業側にとって採用したいと考えるのはどちらでしょうか?
登録販売者だね!
実際に薬剤師を店舗に配置せずに、登録販売者のみで運営しているドラッグストアも多く存在します。
最初はお給料が低いかもしれないですが、お給料アップも目指せるのが登録販売者のいいところ。
パートやアルバイトで時給アップを狙うもよし、正社員でキャリアアップを狙うもよしの資格です。
まとめ:登録販売者は売り手市場!
以上、登録販売者の資格は無くなるのかまとめました。
結論、現状そういった情報はありませんし、むしろ需要は増えていくと考えられる貴重な資格です。
医薬品のネット販売・1/2ルールの撤廃などはありましたが、むしろそれが登録販売者の活躍を広げる追い風になっています。
理由は3つ。
- 就職先の拡大
- セルフメディケーションの推進
- 人件費削減
今、登録販売者の資格に興味を持っているあなたはそのまま突き進んでください。
将来も安泰な登録販売者ですので、「あのとき取っておけばよかった」と後悔しないように、思い立ったときに勉強を始めましょう。
登録販売者の資格は標準で6ヶ月、最短2ヶ月の勉強期間で取得が目指せる医療資格です。
そんなときに参考にしてほしいページはこちら。
参考▶【登録販売者】資格試験の勉強方法は?おすすめの方法教えます!
登録販売者のメリットとデメリットも確認しておきたいという人はこちらのページも参考にしてみてください。
参考▶ドラッグストア登録販売者はデメリットだらけ?10個のデメリットと7個のメリット
もしくはすでに登録販売者の資格を持っているけど、今の職場に不満があるというあなたにはこちら。
将来にわたって役に立ってくれる資格ですので、不満のある職場で過ごすのはもったいない!
いい職場を見つけて安心して働ける環境を作っていきましょう。
追記:登録販売者の市場価値は下がるのか?
当ブログに以下のような質問が届きました。
登録販売者の実務経験の要件が緩くなるという話が出ています。
このまま要件が緩くなり続けたら、登録販売者の市場価値が下がるのではないかと不安です……
この質問に対する私の考えは「市場価値は下がらない」です。
そもそも実務経験とはこんな感じで定められています。
過去5年のうち、通算して2年以上の実務経験がある
※通算して2年以上とは
1ヶ月に80時間以上働いている期間が24ヶ月
or
過去5年のうち2年以上働いていて、累計1920時間以上働いている
今回の質問ではこの条件の2年以上が1年以上に変更になるかもしれないという話。
そうすることで以前よりも簡単に管理者要件を満たすことができる、というわけです。
一見すると、市場価値が下がるという心配もうなずけます。
しかし、登録販売者試験自体の難易度が下がっているわけではないので、門が広くなったわけではありません。
言い換えると、
試験の難易度は変えないけど、キャリアアップしやすくするよ。
ということ。
これはおそらく、いろんなところで登録販売者を働けるようにしてセルフメディケーションを推進したい、という考えから来ているのではないでしょうか?
【POINT】
登録販売者の就職先の中には、実務経験をすでに満たしていることが条件になる職場もあります。
つまり、登録販売者は国からもお墨付きをもらっているということです。
安心して登録販売者を目指していきましょう。
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