緊急時においておきたい薬の一つ、下痢止め。
でも
正露丸、赤玉、ストッパ……。
どれもよく耳にするけど、実際どれを選んだらいいの?
と困ってしまっていませんか?
このページでは正露丸と赤玉とストッパの違いをドラッグストア薬剤師がわかりやすく解説します。
後半には下痢止めを使ってはいけない症状についても解説しますので、ぜひ最後まで読んでくださいね。
正露丸と赤玉とストッパの違い
では早速、正露丸と赤玉とストッパの違いを見ていきましょう。
それぞれの違いを簡単にまとめた結論は以下の通り。
正露丸:常備薬に
エクトール赤玉:どんな下痢にも
ストッパ:持ち運びに
成分の違いなどからもう少し内容を詳しく見ていきましょう。
正露丸
ラッパのマークで有名な正露丸は大幸薬品から発売される下痢止めです。
成分とその働きは以下の通り(大幸薬品HPより引用)。
成分 | はたらき |
---|---|
日局 木クレオソート | 大腸の過剰なぜん動運動の正常化、腸管内の水分量の調整 |
日局 アセンヤク末 | 腸の運動調整 |
日局 オウバク末 | 健胃作用、腸内静菌 |
日局 カンゾウ末 | 胃粘膜障害防止作用、解毒作用 |
チンピ末 | 健胃作用 |
ズラッと色々書いてありますが、簡単に言うとお腹の過剰な動きを抑えて水分量を調節することで下痢に効きます。
正露丸のポイントは“静菌”すること。
静菌というのは殺菌と違って菌を殺すことは出来ません。
静菌の何がいいのかというと、お腹の善玉菌をやっつけることなく下痢を抑えてくれるので、腸内フローラを保てるのです。
そのため、
お腹の健康を保ったまま下痢を抑えたい。
抗生物質を使ったあとは下痢を起こしやすい。
という人にはもってこい。
何かあったときに一時的に使えるので常備薬としておすすめです。
ちなみに正露丸糖衣錠もこの特徴は共通ですが、お腹を整える成分は少し少なくなります。
しかし、匂いが気になる人はコーティングされているので飲みやすくなりますよ。
また少し変わった使い方にはなりますが、正露丸は虫歯にも使用出来ます。
興味のある人はこちらも読んでみてください。
参考▶【むし歯痛に効く!?】正露丸と今治水の効果や使い方を徹底解説!
注意点として、明らかに
さっき食べたお肉が生焼けだったかも……。
少し時間が経ったものを食べたのが原因かも……。
というような菌が原因の下痢には少し心もとないのが正直な感想です。
そのような場合には静菌ではなく“殺菌”できる下痢止めを使いましょう。
殺菌できる下痢止めは次から紹介します。
エクトール赤玉
その名の通り赤い錠剤のエクトール赤玉は第一三共ヘルスケアから発売される下痢止めです。
成分と働きは以下の通り(第一三共ヘルスケアHPより引用)。
成分 | はたらき |
---|---|
アクリノール水和物 | 腸内病原菌に対する殺菌作用により、下痢を止めます。 |
タンニン酸ベルベリン | 腸内病原菌に対する殺菌作用と収れん作用により、下痢を止めます。 |
ウルソデオキシコール酸 | 利胆作用により、消化を助けます。 |
ゲンノショウコエキス末 (原生薬として1500mg) |
収れん作用により、下痢を止めます。 |
ロートエキス3倍散 (ロートエキスとして45mg) |
鎮痛、鎮痙作用により、痛みをやわらげます。 |
正露丸と1番の違いは“殺菌”ができること。
菌をやっつけることができるので菌が原因の食あたりや水あたりにも使用できます。
さらに消化不良からくる下痢にも効果を示し、痛みを抑える成分も配合しているので
いろんな下痢にも使える下痢止めがほしい!
という人におすすめです。
ちなみに殺菌は善玉菌もやっつけてしまうので、使用したあとは整腸剤などで善玉菌を補充してあげるといいですよ。
普段使いが出来て、お腹の健康に良いものとしては『ビオスリー』がおすすめです。
その他、善玉菌に関してはこちらのページで使い分けを紹介しているので気になる人はチェックしてみてください。
参考▶【整腸剤】ビオフェルミン/ザ・ガード/ビオスリーの違いやよくある質問を解説
ストッパ
水無しで飲めるストッパはライオンから発売される下痢止めです。
成分と働きは以下の通り(ライオンHPより引用)。
成分 | はたらき |
---|---|
ロートエキス3倍散 (ロートエキスとして20mg) |
腸の異常収縮を抑え、腸内での便の移行スピードを抑制します。 腹痛を伴うような下痢に高い効果を発揮します。 |
タンニン酸ベルベリン | 腸粘膜を保護するとともに炎症を抑え、腸内の水分が過多になるのを防ぎます。 また、腸内の異常な腐敗、醗酵を抑えます。 |
正露丸や赤玉と違うのは最低限の下痢止めの成分しか使用していないこと。
そのため下痢を抑える力や殺菌の働きなどは赤玉に比べると弱めですが、
万が一のときに出先でも使える下痢止めがほしい。
という人にとって水無しで使えるストッパは良い選択肢になりますよね。
ストッパの下痢止め成分も殺菌効果があるので、使用後は整腸剤を使用することをおすすめします。
下痢止めを使ってはいけない下痢
商品の違いを見てきたところで、下痢止めを使用しないほうが良い下痢について紹介していきます。
下痢止めを使用しないほうが良い下痢の症状は以下の通り。
- 激しい腹痛
- 血の混じった便
- 水のような便
- 発熱
- 吐き気
これらの症状がある場合は食中毒や感染症による下痢が考えられます。
その場合に下痢止めを使用すると、腸内に原因菌をとどめて症状を悪化させる原因になります。
赤玉やストッパのように殺菌剤が入っているものなら良いよね?
と安易に使用するのはおすすめしません。
ちょっとした食あたり・水あたりであれば効能にありますが、食中毒や感染症の場合には病原菌を殺菌しきれない場合もあります。
また、下痢止めを飲んだからと言って我慢している間に症状が悪化してしまう可能性もあります。
先程挙げたような症状が一緒に出ている場合はまずは病院で検査してもらうことを優先してくださいね。
まとめ
以上、正露丸と赤玉とストッパの違いでした。
【正露丸:常備薬に】
【エクトール赤玉:どんな下痢にも】
【ストッパ:持ち運びに】
緊急時の下痢は止めてしまいたいものですが、下痢止めを使用する時はしっかりと症状にあったものを選ぶようにしてくださいね。
アマゾン売れ筋ランキングの上位商品について比較解説しているページもあります。
参考▶【下痢止め】アマゾンの売れ筋ランキング上位商品を比較解説していく
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