医薬品の販売のために接客していると、
他に確認すべきことがあったんじゃないだろうか?
と心配に感じてしまうのはあるあるですよね。
このページでは実際にドラッグストアで医薬品担当者として働いている私が、普段の実務でどんな情報をお客様から聞き出しているか、紹介します。
ここにまとめた内容は私が実際に新人教育をする時の内容とも同じことを書いていますので、きっと現場でも役に立ちますよ。
当たり前の内容も多いですが、「ここだけは絶対に聞いておかないと危険」といった内容もわかりやすくまとめましたので、ぜひ最後まで読んでみてください。
お客様に確認しておきたい8つのこと
では始めに、実際に私が確認していることをまとめて紹介します。
- 誰が使うか?
- どんな症状が出ているか?
- いつから症状が出ているか?
- 繰り返していないか?
- 病院には行ったか?
- 薬は使っているか?
- 薬で副作用が出たことはないか?
- 食品などのアレルギーはないか?
それぞれポイントになる部分がありますので、次から詳しく見てみましょう。
確認すること1:誰が使うか?
まずは購入した薬を誰が使うのか確認します。
そんなの買いに来てる本人でしょ?と思ってしまうのは危険。
具合が悪いので家族の方が代わりに来ていることや、お子さんのお薬を親御さんが買いに来ることは珍しくありません。
私も過去に本人だと思って説明していたら、「自分が使うわけじゃないからわからない」と言われたことが多々あります。
大人と子供であれば、大前提が代わるわけですから【誰が使うか?】は一番はじめに確認しましょう。
確認すること2:どんな症状が出ているか?
こちらは意識せずともお客様が教えてくれることが多いですよね。
症状によっておすすめする薬も変わりますので、きちんと聞き取りましょう。
ここでのポイントは症状が複数出ていないか確認することです。
例えば「目がかゆい」といった時、ものもらいなどの細菌が原因なのか、花粉などのアレルギーが原因なのかで紹介するお薬は異なります。
「目やには出ていませんか?」「かゆみは両目ですか?」など、いくつか症状が出ていないか確認するようにしましょう。
確認すること3:いつから症状が出ているか?
症状がいつから出ているのかも聞き取りのポイントです。
基本的に市販の薬で対応できるのは短期間で起こっている症状になります。
症状があまりにも長引いているときは病院に行くように進めましょう。
確認すること4:繰り返していないか?
症状を繰り返していないかも確認しましょう。
何度も繰り返している場合は、出ている症状は表面的なもので、実は他に原因となっている疾患が隠れている可能性もあります。
他には花粉症や水虫など、季節的なもので毎年繰り返している場合もあります。
お客様の状態を推測するヒントになりますのでここも聞けると良いでしょう。
確認すること5:病院には行ったか?
今回相談している症状で病院に行ったかを聞く必要もあります。
例えばインフルエンザの場合、発熱してから48時間以内にタミフルなどの薬を使うことが推奨されています。
それなのに市販の薬で2,3日様子をみていると、薬が効きやすい時間帯を逃してしまうことになります。
だからまずは相談された内容で病院には行っているのか確認するようにしましょう。
確認すること6:薬は使っているか?
今回相談している症状で薬を使っているかも確認しましょう。
お客様の中には「病院でもらった薬が効かないから市販の薬も飲みたい」という人もいます。
もちろん登録販売者であれば病院の処方薬と市販薬を一緒に使うことの危険性がわかりますが、お客様の中にはそこまで気にしていない人もいます。
このような場合は危険性を理解してもらった上で病院に行ってもらうことが一番です。
しかし会社によって対応が変わってくるところでもありますので、ご自身の会社ではどのような対応をするのかきちんと確認しておきましょう。
そして、今回相談している内容以外にも、普段から使っている薬がないかも確認しましょう。
毎年のように薬の相互作用が問題になった事例がニュースで流れます。
お客様の中にはお薬手帳を持ち歩いていない人も多いですが、とても大切な情報です。
お薬手帳を持ってきてもらうように依頼したり、お家に電話して確認が取れないかお願いしましょう。
確認すること7:薬で副作用が出たことはないか?
薬を使って副作用が出たことがないか確認することも重要です。
アナフィラキシーショックなどの激しい副作用の場合は同じ成分を使うと副作用がもっと酷くなることがあります。
必ず確認するようにしましょう。
ショックまではいかずとも、胃が痛くなった、喉が渇く、眠くなりやすいなどの副作用が出た場合もその成分が入っていないものをおすすめしましょう。
確認すること8:食品などのアレルギーはないか?
食品などのアレルギーの有無も忘れがちですが重要です。
こちらも薬の相互作用と同じように、アレルギーで危険な状態になった事例が報告されています。
そんな危険なものならば、お客さんが教えてくれるでしょ、と思ったら大間違い。
聞かれてから初めて教えてくれるお客様は結構多いものです。
また、食品のアレルギーを持っていても、薬には関係ないと考えているお客様もいるのできちんと聞くことを心がけましょう。
「ここだけは絶対聞くべき」項目
ここまで読んできて
うんうん、なるほどね。なんとなくわかったよ。
…でも多くない?
と思った人もいるのではないでしょうか?
どれも薬を選ぶ時の重要な情報。抜けなく聞くのが大事です。
しかし、急いでいる、普段から使い慣れているお客様にも全て確認するまで帰さない!となると、お客様からお叱りを受けることもあるでしょう。
そこでここではどんなに急いでいても「ここだけは絶対確認して!」という内容をまとめます。
※あくまで大前提は全て確認することです。
- 誰が使うのか?
- 薬は使っているか?
- 薬で副作用が出たことはないか?
- 食品などでアレルギーはないか?
これらの4つは聞き逃すと最悪の場合、健康被害を起こす可能性があるものです。
中には使い慣れているという薬の影響で持病を悪化させているという状況のお客様もいます。
どれだけ急いでいてもお叱りを受けても確認するようにしましょう。
確認する8つの内容の覚え方
ここまでの内容を見てきて、なかなかすべての内容が覚えられない!という人もいるのではないでしょうか?
ここでは、私が新人の頃や現在の新人教育などでどうやって覚えるようにしていたか、参考程度に書き記しておきます。
- 覚えるまで何度も見返す
- 覚えているかテストする
- メモを作る
当たり前過ぎて必要ないかもしれませんが詳しく見ていきます。
覚えるまで何度も見返す
覚えるまで何度も見返しましょう。
このページをブックマークし、通勤時間、休憩中、お風呂の時間、寝る前などにひたすら何度も見返します。
当たり前のように思えますが、新人教育などをしていて感じたのが「覚えきれていない子ほど見返していない」ということです。
休みを削ってまで仕事をさせる気か!とお叱りを受けそうですが、この内容は基本中の基本であり、これができていないと次の内容に進めないのはもちろんですが、お客様にも迷惑をかけてしまいかねません。
せめて仕事中の空き時間などには何度も見返すようにしてみると違ってきますので試してみてください。
覚えているかテストする
何度も見返したら覚えているかテストしましょう。
見返していると慣れてくるのでわかった気になってきます。
しかし、実際に書いてもらったり、内容を見ずに答えてもらうとあやふやなことが多いです。
そこで1日1回は覚えられたかテストを行い、自分が忘れがちな項目をチェックしましょう。
そこを重点的に復習し、完璧に答えられたら完了です。
私が新人の頃は先輩に協力してもらって不意打ちのテストをしてもらっていました。
メモを作る
それでも覚えきれない!という方に秘密道具を伝授します。
それはこの内容のメモを作り、実際の接客の時に使うことです。
どこの会社でも「質問内容をメモした紙を見て接客してはいけない」というマニュアルはありません。(もしあったら、ごめんなさい。)
もちろん全て覚えていたほうがスムーズに接客にあたれるますが、覚えきれない間はメモを見ながら接客しましょう。
そのほうが抜けなく情報を聞き取れるので安心してお薬相談に乗れますよね。
まとめ:基本は何度も復習しよう!
以上、お客様に確認しておきたい8つのことでした。
- 誰が使うか?
- どんな症状が出ているか?
- いつから症状が出ているか?
- 繰り返していないか?
- 病院には行ったか?
- 薬は使っているか?
- 薬で副作用が出たことはないか?
- 食品などのアレルギーはないか?
どれも重要な内容ですが、特に「1.誰が使うか?」「6.薬は使っているか?」「7.薬で副作用が出たことはないか?」「8.食品などでアレルギーはないか?」は健康被害につながりかねません。
どれだけ急いでいても、使い慣れていると言われても確認するようにしましょう。
また、どうしても覚えきれないという人は私が実際に覚える時に使った方法を参考にしてみてくださいね。
覚えた!と思った人も少し時間が経つと忘れていることもありますので定期的に復習するようにしましょう。
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