医療事務の仕事に興味が出てきたときに
医療事務と調剤薬局事務って仕事内容は違うの?
どんなところに就職できるの?
どうやって目指せば良いんだろう…。
必要な資格とかはあるのかな?
など、様々な疑問が出てくるのではないでしょうか?
このページでは医療事務と調剤薬局事務は何が違うのか比較しながらわかりやすくまとめました。
仕事内容だけでなく、勤め先や給料の違いもまとめてあります。
後半には医療事務と調剤薬局事務のどちらがおすすめかにふれていますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
医療事務・調剤薬局事務とは
そもそも医療事務とは医療の現場で働いている事務員のことを指します。
そういう意味では調剤薬局事務は医療事務の一種です。
医療事務職員の勤め先は病院や診療所、介護施設など多岐にわたりますが、調剤薬局で働く医療事務のことを調剤薬局事務と呼んでいます。
同じように介護施設で働くなら介護事務員と呼びます。
それでは仕事内容も同じかというと、そうではないのがややこしいと感じる所以。
次からは仕事内容の違いについて見ていきましょう。
医療事務と調剤薬局事務の仕事の違いは2つ
病院や診療所で働く”医療事務”と、調剤薬局で働く”調剤薬局事務”の仕事は共通点と相違点があります。
まずはどちらにも当てはまる大きな仕事の枠組みから見ていきましょう。
仕事の枠組みは4つ。
受付や会計は、一度は病院や薬局に行ったことがイメージできると思います。
受付は患者さんから保険証などを預かり次のご案内の説明をします。
会計は診察内容やお薬の内容に合わせた料金の支払いをしてもらいます。
しかし、医事課業務やクラーク業務は耳にしたことが無い方も多いのでは?
受付や会計以外にも仕事があるの?
簡単に説明すると、医事課業務がお会計のときに患者さんにいくら請求するのか計算する業務。
クラーク業務は患者さんと医療従事者の橋渡しと言われる業務になります。
そして、この医事課業務やクラーク業務にこそ、医療事務と調剤薬局事務の違いが現れます。
少し詳しく見ていきましょう。
仕事の違い①医事課業務
医事課業務とはお会計のときに患者さんにいくら請求するのか計算する業務でしたね。
医療事務と調剤薬局事務の違う点が、病院や診療所では「診療報酬」、調剤薬局では「調剤報酬」を使っていること。
んん?なんだか難しい言葉が並んでいるぞ。
そもそもお会計の時の医療費がどのように決まっているのか考えてみましょう。
保険治療において医療費を患者さんに請求する場合には、病院や薬局ごとで勝手に金額を決めて請求することはできません。
診察や調剤の内容によって点数が決まっており、『1点=10円』として医療費が計算されます。
そして点数が載っているのが診療報酬点数表と調剤報酬点数表なのです。
やることは同じでも使っている道具が違うってことだね。
それぞれの違いは今回は省きますが、病院と薬局では違う医療行為を行っているので記載されている内容や計算方法も異なります。
仕事の違い②クラーク業務
クラーク業務とは患者さんと医療従事者の橋渡しの業務です。
医療従事者が治療に集中できるようにサポートするのが仕事になります。
病院や診療所の医療事務であれば患者さんのカルテなどの抽出や医師や看護師など様々な医療従事者への取り次ぎ、物品の手配など。
調剤薬局では正確にはクラーク業務とは言われませんが、やはり患者さんと薬剤師の橋渡しの業務として患者さんが気になっていることを聞き出し、薬剤師に伝えることはとても大切な仕事です。
医療従事者には聞きにくかったことでも事務さんになら聞ける、という方も多いのです。
調剤薬局事務の求人先
医療事務は病院や診療所、歯科医院などで働けます。
それでは調剤薬局事務は一体どんなところで働けるのでしょうか?
まず一番最初に浮かぶのが調剤薬局でしょう。
調剤薬局は全国で58,000店舗存在すると言われ、その数はコンビニの55,000店舗を超えました。
そのため求人もたくさん出ていたり、近所の薬局に通えることから人気も高まっています。
そんなにたくさんあるんだ。
そして最近広まりつつあるのがドラッグストア業界です。
調剤薬局では処方箋を渡した後、医療事務や薬剤師がチェックを行いお薬を渡すまでにどうしても時間がかかってしまいます。
それならばその待ち時間にお買い物をして待ち時間を快適にしてもらおうと考えたのがドラッグストアです。
調剤併設型のドラッグストアと言います。
患者さんがドラッグストアを回っている間に調剤の準備を済ませ、お買い物が済んだ後に薬のお渡し、会計ができるので待ち時間もなくスムーズに済むことで患者さんからも好評です。
ドラッグストアでの調剤併設率は企業によって差がありますが、一貫して増加傾向にあることは間違いありません。
医療事務と調剤薬局事務の給料の違い
仕事をする上ではお給料も大切。
ということで、お給料に違いがあるのかも調べてみました。
事務職は雇用形態や勤務地によっても差が大きいのが特徴です。
雇用形態別のお給料も見てみましょう。
若干ではありますが調剤薬局事務の方が割高な印象ですね。
また、医療事務も調剤薬局事務も勤続年数や資格取得によりお給料アップを目指せる仕事です。
医療事務と調剤薬局事務はどっちがおすすめか
さて違いを見てきたところで、では医療事務と調剤事務はどっちがおすすめなのか気になりますよね。
結論、あなたが何をやりたいかです。
医療事務は病院やクリニックで働くので一日にたくさんの患者さんを相手にすることから忙しく、ガンガン働きたいという方におすすめ。
大きい病院では医療事務の中でも受付・レセプト・会計など分業体制を取っていることもあり、一つのことに集中して取り組めることも。
一つの業務を極めたいのであれば良いですが、全体のスキルアップを目指したい人にとっては時間がかかってしまうかもしれません。
しかし様々な医療従事者と関わり、たくさんの経験を積みたい人にはおすすめです。
医療の現場で働きたい!
一方、調剤薬局で基本的に関わる医療従事者は薬剤師だけという特徴があります。
その分、密なコミュニケーションによる連携が求められますね。
そして調剤薬局は規模が比較的小さいですので受付からレセプト、お会計まで全てを担当します。
全体的なスキルアップを目指したい人はバランスが良いと言えるでしょう。
また、調剤事務が使う調剤報酬は医療事務が使う医療報酬、介護事務が使う介護報酬に比べて設定されている項目が少ないので、初心者の人には取り組みやすい分野と言えます。
まずは調剤薬局事務で全体の流れをつかみ、その後のレベルアップとして医療事務に挑戦するのも良いですね。
医療事務と調剤薬局事務の資格の違い
さて、それではどうやったら医療事務・調剤薬局事務になれるのでしょうか?
実は医療事務・調剤薬局事務ともに必須の資格はありません。
学歴や資格がなくても病院や調剤薬局の事務員として働けます。
あれ?でも医療事務の資格って聞いたことあるよ?
という方も多いですよね。
医療事務は資格がなくても仕事をすることは可能ですが、資格や実務経験がないと一人前に仕事をこなすことは難しい職種なのです。
そのため、民間資格として医療事務の資格がたくさん出ているのです。
いくつ種類があるのかというと、医療事務の資格は30種類以上。
えぇ!?なんでそんなに?
どれを選んだら良いのかわからないよ…。
という方のために、このページでは代表的な資格の紹介だけして終わりにします。
詳しい資格情報が知りたい方は他のページも見てみてください。
医療事務・調剤薬局事務はどこで働きたいか・どんな業務ができるようになりたいかで選ぶべき資格も変わります。
「取得した資格が自分の仕事先では使えなかった」とならないように慎重に選んで受験してくださいね。
医療事務・調剤薬局事務を目指すなら資格取得すべし!
以上、医療事務と調剤薬局事務の違いや、求人・資格についてまとめました。
医療事務と調剤薬局事務の違いは仕事内容だけでなく、お給料や就職先に違いがありましたね。
自分がやりたい仕事を見極めて勤め先を決めるようにしましょう。
特化した経験を積みたいor全体の流れを掴みたい
たくさんの人と関わりたいor密な連携を経験したい
…など。
医療事務や調剤薬局事務には資格が必須ではありませんが、煩雑な仕事内容も多く、実務経験や資格が就職や転職に有利。
医療事務・調剤薬局事務の代表的な資格を参考にスキルアップを目指していきましょう。
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